高品質な製品届けるために必要な検品と検査の違いを知る

高品質な製品届けるために必要な検品と検査の違いを知る

自社製品の品質を維持し、顧客からの信頼を得るために不可欠な「検査」と「検品」。これらの言葉は似ていますが、その目的や内容は明確に異なります。この違いを正しく理解し、自社の状況に合わせて適切なプロセスを構築することが、品質管理の第一歩です。

この記事では、検査と検品の基本的な違いから、その重要性、具体的な種類や手順、さらには業務を効率化するためのポイントやアウトソーシングという選択肢まで、幅広く解説します。品質管理の担当者様が明日から実践できる情報を提供しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

検査と検品の違いとは?それぞれの目的を解説

品質管理の現場で頻繁に使われる「検査」と「検品」ですが、両者の違いを明確に説明できるでしょうか。それぞれの目的と役割を正しく理解することが、効果的な品質管理体制の構築につながります。

「検査」とは?製品の品質を多角的に評価

「検査」とは、製品や部品が、定められた品質基準や仕様を満たしているかどうかを測定、試験、あるいは比較することによって判定するプロセスです。例えば、製品の寸法が設計図通りか、決められた機能が正常に動作するか、特定の環境下で耐久性に問題がないかなどを、専門的な機器や手法を用いて評価します。検査の目的は、製品そのものの品質が基準をクリアしているかを客観的に保証することにあります。

検査のポイント説明
目的製品が品質基準や仕様を満たしているかを判定する
評価項目寸法、機能、性能、耐久性、安全性など
方法専門的な測定器や試験機を用いた評価が中心
判断基準設計図、仕様書、各種規格など

「検品」とは?数量や外観を基準に照合

一方、「検品」とは、入荷時や出荷時に、商品の品番、数量、外観などが発注書や納品書の通りであるかを確認する作業を指します。主に目視で行われ、注文と違う商品が届いていないか、数は合っているか、輸送中に破損や汚れが生じていないかなどをチェックします。検品の主な目的は、取引内容と現物が一致しているかを確認し、誤出荷や数量不足といったミスを防ぐことです。

検品のポイント説明
目的商品が発注内容と一致しているかを確認する
評価項目品番、数量、外観(傷、汚れ、破損)など
方法目視による確認が中心
判断基準発注書、納品書、出荷指示書など

混同しやすい「検収」との違い

「検品」とさらに混同しやすい言葉に「検収」があります。検収とは、納品されたものが仕様や契約内容通りであるかを確認し、その上で正式に受け取る手続き全体を指します。検品作業も検収プロセスの一部に含まれますが、検収は「受け入れを正式に承認する」という契約上の意味合いが強い点が大きな違いです。

目的と範囲で見る検査と検品の関係性

まとめると、「検査」は製品自体の品質を評価する技術的なプロセスであり、「検品」は物流の過程で商品の同一性や状態を確認する作業です。多くの場合、製造工程で「検査」に合格したものが、出荷・入荷の際に「検品」されるという流れになります。両者は目的も範囲も異なりますが、どちらも顧客に良質な製品を届けるために欠かせない、品質管理の両輪と言えるでしょう。

なぜ検査・検品は企業の信頼を左右するほど重要なのか

検査・検品は、単なる作業ではありません。これらは企業の製品品質を支え、顧客からの信頼を築くための根幹となる活動です。なぜこれらのプロセスがそれほどまでに重要なのか、3つの側面から解説します。

製品の品質を保証し顧客満足度を向上させる

顧客が製品を購入する際、その品質が期待通りであることは当然のこととして考えています。検査・検品は、製品が定められた品質基準を満たしていることを保証するための最後の砦です。この工程を徹底することで、顧客の手元に高品質な製品が届き、結果として顧客満足度の向上につながります。高い満足度はリピート購入や良好な口コミを生み出し、企業の成長を支える基盤となります。

不良品の流出を防ぎ企業の信頼性を維持する

万が一、不良品が市場に流出してしまえば、顧客に不利益を与えるだけでなく、大規模なリコールやクレーム対応に発展する可能性があります。こうした事態は、多大な経済的損失はもちろんのこと、長年かけて築き上げてきた企業の信頼やブランドイメージを著しく損ないます。厳格な検査・検品プロセスは、このようなリスクを未然に防ぎ、企業の社会的信頼性を維持するために不可欠です。

法令や業界の規格を遵守する

製品によっては、安全性に関わる法律を遵守することが義務付けられています。JIS規格は任意の規格であり、法令に引用されている場合を除き、遵守義務はありません。特に、人体に影響を与える可能性のある食品や医療機器などは、食品衛生法や医薬品医療機器等法により極めて厳格な基準が設けられています。検査・検品は、これらの法令や規格を遵守していることを確認し、企業のコンプライアンスを担保する上でも極めて重要な役割を担っています。

参考:日本産業標準調査会「JISマーク表示制度関係-FAQ(よくある質問)」

参考:厚生労働省「医薬品・医療機器」

押さえておくべき検査・検品の主な種類

検査・検品と一言でいっても、その目的や対象に応じて様々な種類が存在します。自社の製品や製造工程に最適な方法を選択するために、代表的な分類を理解しておきましょう。

実施するタイミングによる分類(受入・工程内・最終)

製品が完成するまでの流れの中で、どのタイミングで検査を行うかによって、以下のように分類されます。

検査の種類説明主な目的
受入検査外部から購入した原材料や部品を製造工程に投入する前に行う検査です。後工程への不良品の投入を防ぎ、初期段階での品質を確保します。
工程内検査製造プロセスの途中段階で行う検査です。不良品が次の工程へ進むのを防ぎ、手戻りや最終的な不良率を低減させます。
最終検査完成した製品が出荷される前に行う総合的な検査です。製品が全ての品質基準を満たしているか最終確認し、市場への不良品流出を防ぎます。

検査対象の数による分類(全数・抜き取り)

生産された製品のうち、どれくらいの数量を検査対象とするかによって、大きく2つに分けられます。

全数検査:生産された製品のすべてを一つひとつ検査する方法です。高い品質保証が求められる製品や、不良品が重大な事故につながる可能性がある製品(例:自動車のブレーキ部品、医療機器など)で採用されます。コストと時間がかかる点がデメリットです。

抜き取り検査(サンプリング検査):生産ロットからサンプルをランダムに抽出し、そのサンプルを検査してロット全体の合否を判定する方法です。全数検査に比べてコストと時間を抑えられるメリットがあります。統計的な手法に基づいており、一定の品質が安定して確保されている製品に適用されます。

検査方法による分類(外観・機能)

製品の何を評価するかによって、検査方法は多岐にわたります。中でも代表的なものが以下の2つです。

外観検査:製品の見た目を確認する検査で、傷、汚れ、変形、異物混入といった不具合を目視やカメラ(画像認識技術)で発見します。

機能検査:製品が仕様書通りに正しく動作するかを確認する検査です。例えば、電子機器のスイッチが正常に作動するか、ソフトウェアが意図した通りに動くかなどをチェックします。

品質を維持するための検査・検品の基本的な手順

効果的な検査・検品を行うためには、場当たり的な対応ではなく、一貫した手順に沿って業務を進めることが重要です。ここでは、品質を維持するための基本的な4つのステップを紹介します。

手順1:明確な検査基準を策定する

まず、「何を」「どこまで」確認するのかという明確な基準を文書化します。例えば、「許容できる傷の大きさは〇mmまで」「色の濃さはこの見本と同じであること」など、誰が見ても同じ判断ができるように、具体的かつ定量的な基準を設定することが重要です。この基準書が、以降のすべてのプロセスの土台となります。

手順2:基準に沿って検査・検品を実施する

策定した基準書に基づいて、実際の検査・検品作業を行います。作業者は基準書の内容を十分に理解し、自己判断を挟まず、定められた手順通りにチェックを進める必要があります。ハンディターミナルやタブレットなどのツールを活用し、チェック漏れを防ぐ工夫も有効です。

手順3:結果を正確に記録し報告する

検査・検品の結果は、必ず記録に残します。合格(良品)であった場合はもちろん、不合格(不良品)であった場合は、どのような不具合が、いつ、どのくらい発生したのかを詳細に記録することが重要です。これらのデータは、後の工程改善や原因分析のための貴重な情報源となります。

H3:手順4:不良品をルールに則り処理する

検査・検品で発見された不良品は、良品と明確に区別して管理します。誤って良品に混入し、出荷されてしまうことを防ぐためです。不良品の処理方法(廃棄、手直し、返品など)についても、あらかじめルールを定めておき、迅速かつ適切に対応することが求められます。

検査・検品業務を効率化する3つのポイント

品質を維持することは大前提ですが、同時に業務の効率化を進め、コストを削減することも企業にとっては重要な課題です。ここでは、検査・検品業務の品質を落とさずに効率化するための3つのポイントを解説します。

検査基準やマニュアルを標準化し属人化を防ぐ

検査員の経験や勘に頼った作業は、品質のばらつきやミスの原因となります。誰が作業しても同じ品質を保てるよう、検査基準や作業手順をマニュアルとして明確に文書化し、標準化することが重要です。動画マニュアルなどを活用して、作業内容を視覚的に伝えることも、スキルの平準化に効果的です。

AIや検査システムを導入し自動化を進める

これまで目視に頼っていた外観検査などにAI(人工知能)を活用した画像認識システムを導入することで、検査の精度とスピードを飛躍的に向上させることが可能です。また、倉庫管理システム(WMS)とハンディターミナルを連携させることで、バーコードを読み取るだけで入荷検品や出荷検品を正確かつ迅速に行えるようになります。このようなデジタル技術の導入は、ヒューマンエラーの削減にも大きく貢献します。

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底し作業環境を整える

一見、遠回りに思えるかもしれませんが、作業環境を整えることは効率化の基本です。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底し、作業スペースを常にきれいで使いやすい状態に保つことで、物を探す無駄な時間がなくなり、作業に集中しやすくなります。安全な作業環境はミスの防止にもつながり、結果として生産性の向上に貢献します。

検査・検品をアウトソーシングする選択肢

自社で検査・検品のリソースを確保するのが難しい場合や、より専門的な対応が必要な場合には、業務を外部の専門業者に委託するアウトソーシングも有効な選択肢となります。

アウトソーシングを活用するメリット

専門業者に委託することで、多くのメリットが期待できます。プロによる精度の高い検品が実現できるほか、自社で検品スタッフを雇用・教育したり、検査設備に投資したりする必要がなくなり、コスト削減につながります。また、繁忙期などの物量変動にも柔軟に対応してもらえるため、自社の社員はコア業務に集中できるという利点もあります。

アウトソーシングの主なメリット

  • プロによる高品質な検査・検品が実現できる
  • 設備投資や人件費などのコストを削減できる
  • 繁忙期などの物量変動に柔軟に対応できる
  • 自社のリソースをコア業務に集中させることができる

アウトソーシングの際に注意すべきデメリット

一方で、アウトソーシングには注意すべき点もあります。当然ながら外部に委託するためのコストが発生します。また、自社に検品ノウハウが蓄積されにくい点や、業者との連携がうまくいかない場合に情報伝達が遅れる可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

信頼できる外注先を選定するためのポイント

アウトソーシングを成功させるためには、信頼できるパートナー選びが非常に重要です。自社が扱う商材の取り扱い実績が豊富か、品質管理体制はしっかりしているか、セキュリティ対策は万全か、といった点を事前に確認しましょう。また、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容とコストを比較検討することが大切です。

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まとめ

本記事では、「検査」と「検品」の基本的な違いから、その重要性、具体的な種類や手順、そして業務を効率化するためのポイントについて解説しました。

検査は製品そのものの品質を技術的に評価するプロセスであり、検品は物流の過程で数量や外観を確認する作業です。この2つは、企業の信頼性を支え、顧客に高品質な製品を届けるために不可欠な両輪と言えます。

自社の製品や目的に合った最適な検査・検品体制を構築し、継続的に改善していくことが、企業の持続的な成長につながります。

この記事を書いた人

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千里運輸マーケティング戦略推進室

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