人材確保のアイデア12選!採用難を突破する具体的な手法と成功事例

人材確保のアイデア12選!採用難を突破する具体的な手法と成功事例

企業の成長において「人」は最も重要な資産ですが、少子高齢化による労働人口の減少に伴い、多くの企業が深刻な人材不足に直面しています。求人を出しても応募が来ない、せっかく採用してもすぐに辞めてしまうといった悩みは、業種や規模を問わず共通の課題です。これまでのやり方を続けているだけでは、状況を打破することは難しくなっています。

この記事では、人材確保にお悩みの方に向けて、採用活動と定着支援の両面から、今すぐ実践できる具体的なアイデアを解説します。読み終わる頃には、自社の課題に合った施策が見つかり、具体的なアクションプランを立てられるようになるでしょう。

人材確保がうまくいかない根本的な原因とは?

人材確保がスムーズに進まない場合、単に求人の露出量が足りないだけではないケースが大半です。多くの企業が陥りがちな根本的な原因を理解することで、打つべき対策が見えてきます。ここでは、まず現状の課題を整理します。

原因の分類典型的な症状対策の方向性
バランス不足採用してもすぐ辞める、離職率が高い職場環境の改善、フォロー体制の強化
ミスマッチ応募はあるが求める人材ではないペルソナの再設定、媒体選定の見直し
差別化不足そもそも応募が来ない、閲覧数が低い自社の魅力(USP)の再発掘、独自性の訴求

採用活動と定着施策のバランス不足

人材確保には「採用(入り口)」と「定着(出口)」の2つの側面があり、この両輪が回っていないと組織の人員は増えません。多くの企業は、欠員が出ると慌てて求人を出すといった「採用」にばかりリソースを割きがちですが、定着率が低いままでは、どれだけ採用しても穴の開いたバケツに水を注ぐような状態になります。採用コストばかりが嵩み、現場の疲弊感も増すため、まずは「今いる社員が辞めない環境」を作ることが、遠回りのようで最も確実な人材確保策となります。

ターゲット層と訴求内容のミスマッチ

自社が欲しい人材と、実際に求人を出している媒体やメッセージが食い違っていることも大きな原因です。例えば、若手のデジタルネイティブ層を採用したいのに、紙媒体の求人誌にばかり掲載していたり、安定志向の人材が欲しいのに「実力主義で稼げる」ことを強調していたりするケースが散見されます。ターゲットとなる人物が普段どのようなメディアを見て、どのようなキーワードに反応するのかを具体的にイメージし、そこに合わせて発信内容を調整する必要があります。

競合他社との差別化ポイントの欠如

求職者は多くの求人情報を比較検討していますが、条件面で他社と代わり映えしない募集要項では選ばれる理由になりません。給与や待遇だけで勝負しようとすると、資本力のある大手企業にはどうしても勝てないのが現実です。会社の雰囲気、独自の制度、働いている人の魅力など、数値化しにくい自社ならではの「強み」を言語化し、それを求職者に伝わる形で表現できていないことが、応募者不足の要因となっています。

【採用編】応募者を増やす具体的なアイデアとは?

ここからは、実際に人材を確保するための具体的なアクションについて解説します。まずは「採用」のフェーズにおいて、従来の待ちの姿勢から一歩踏み出し、応募者を能動的に獲得するためのアイデアを紹介します。

リファラル採用でマッチ度を高める

社員に知人や友人を紹介してもらう「リファラル採用」は、採用コストを抑えつつ、ミスマッチの少ない人材を確保できる有効な手段です。社員が自社の良さを理解した上で紹介するため、カルチャーに合わない人が来るリスクが低く、定着率も高くなる傾向にあります。導入の際は、紹介してくれた社員へのインセンティブ(紹介料)制度を設けたり、紹介用カードを作成して渡しやすくしたりするなど、社員が協力しやすい仕組みを作ることが成功の鍵です。

ダイレクトリクルーティングで攻める

求人媒体に掲載して応募を待つだけでなく、企業側から欲しい人材に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」が注目されています。スカウト型の求人サイトやSNSを通じて、自社の求めるスキルや経験を持った個人に「あなたに関心があります」と熱意を伝えることで、転職潜在層を掘り起こすことが可能です。一斉送信の定型文ではなく、相手の経歴を読み込んだ上で、なぜその人にオファーを送ったのかという個別性の高いメッセージを送る手間はかかりますが、その分返信率や採用決定率は高まります。

SNSを活用してリアルな日常を発信する

InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSを活用し、職場の日常や社員の様子を発信することで、求人票だけでは伝わらない会社の雰囲気を伝えることができます。プロが作った綺麗な動画よりも、スマホで撮影したランチの様子や休憩中の雑談など、飾らない姿の方が求職者に親近感を与え、「ここで働くイメージ」を持ってもらいやすくなります。継続的な発信が必要ですが、採用広報としての資産になり、コストをかけずにファンを増やすことができる手法です。

アルムナイ採用で即戦力を呼び戻す

過去に自社を退職した「アルムナイ(卒業生)」に声をかけ、再雇用する手法も近年増えています。一度は別の道を歩んだものの、他社を経験したことで改めて自社の良さに気づいたり、ライフステージの変化で働き方が変わったりしているケースがあります。元社員であれば能力や人柄が分かっているため選考コストが低く、教育の手間も省ける即戦力として活躍が期待できます。退職時に「いつでも戻ってきてね」と声をかけたり、定期的にOB・OG会を開催したりして繋がりを維持することが大切です。

求人票の「仕事の厳しさ」を具体化する

応募を増やそうとして「アットホームな職場です」「誰でも簡単」といった良いことばかりを書くのは逆効果になりがちです。むしろ、仕事の大変さや厳しさについても具体的に明記することで、覚悟を持った人材からの信頼を得ることができます。これを「RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)」と呼び、入社後のギャップによる早期離職を防ぐ効果があります。誠実な情報開示は、結果として「信頼できる会社」というブランディングに繋がり、質の高い応募者の獲得に貢献します。

【定着編】離職を防ぎ組織を強くするアイデアとは?

苦労して採用した人材がすぐに辞めてしまっては意味がありません。ここでは、従業員エンゲージメントを高め、長く働いてもらうための「定着」に関する具体的なアイデアを紹介します。

アイデア目的期待される効果
サンクスカード承認欲求の充足コミュニケーション活性化、雰囲気改善
1on1不安の早期発見信頼関係構築、離職の予兆検知
メンター制度定着支援(オンボーディング)早期離職防止、若手社員の成長
福利厚生働きやすさ向上満足度アップ、採用競合との差別化

サンクスカードで承認文化を作る

日々の業務の中での「ありがとう」をカードに書いて贈り合う「サンクスカード」の仕組みは、手軽に導入できて社内の雰囲気を大きく変える効果があります。感謝されることで「自分は必要とされている」という自己重要感が高まり、モチベーションの向上や組織への愛着に繋がります。現在はアプリやチャットツール上でデジタルに送り合えるサービスも多くあり、集計して表彰するなどゲーム感覚で運用することで、ポジティブなコミュニケーションを活性化させることができます。

1on1ミーティングで不安を解消する

上司と部下が週に一度や隔週で、業務進捗以外の話をする「1on1ミーティング」を定期的に実施します。評価面談とは異なり、部下の悩みやキャリアへの不安、健康状態などに耳を傾ける時間を作ることで、小さな不満が大きくなる前に解消することができます。上司が「あなたの成長に関心がある」という姿勢を示すことで信頼関係が深まり、心理的安全性の高い職場環境を作ることができます。

メンター制度で新入社員を孤立させない

新入社員に対して、直属の上司とは別に、年齢の近い先輩社員を相談役(メンター)としてつける制度です。業務上の指導だけでなく、社内の人間関係やちょっとしたルールの疑問など、上司には聞きにくいことを気軽に相談できる相手を作ることで、入社直後の孤独感を解消します。メンター役の社員にとっても、後輩を指導することでリーダーシップやマネジメント能力を養う成長の機会となるメリットがあります。

福利厚生でワークライフバランスを整える

給与アップが難しい場合でも、独自の福利厚生を充実させることで従業員満足度を高めることは可能です。例えば、バースデー休暇やリフレッシュ休暇、資格取得支援、ジムの利用補助など、社員の健康やプライベートを大切にする姿勢を制度として形にします。特に近年はリモートワーク手当やフレックスタイム制など、柔軟な働き方を支援する制度へのニーズが高まっており、これらを整えることは採用時の強力なアピール材料にもなります。

【ターゲット別】隠れた人材を発掘するアイデアとは?

正社員のフルタイム勤務という枠組みだけにとらわれていると、優秀な人材を見逃してしまう可能性があります。採用ターゲットの視野を広げ、多様な人材を活用するためのアイデアを解説します。

副業・兼業人材のスポット活用

専門的なスキルが必要だがフルタイムで雇うほどの業務量がない場合、他社で正社員として働いている副業・兼業人材を活用するのが効果的です。マーケティング、IT、人事制度設計などの分野では、ハイスキルなプロ人材が副業案件を探していることが多く、業務委託契約で週数時間から依頼することができます。採用コストを抑えつつ、社内にはない高度な知見を取り入れることができ、経営課題の解決スピードを加速させることができます。

シニア層の経験とスキルを活かす

定年退職したシニア層は、豊富な実務経験や専門知識、高い労働意欲を持っている貴重な人材プールです。体力的な負担が少ない業務への配置転換や、若手社員への技術継承を行うアドバイザーとしての採用など、役割を明確にすることで大きな戦力となります。短時間勤務や週3日勤務など、柔軟な勤務形態を用意することで、ライフスタイルに合わせた働き方を希望する優秀なシニア人材を確保しやすくなります。

潜在的な求職者へのアプローチ強化

「今すぐ転職したいわけではないが、いい話があれば聞きたい」という潜在層(タレントプール)との接点を持つことも重要です。オウンドメディアでの情報発信や、業界向けの勉強会・交流会の主催などを通じて、自社の認知度を高めておきます。すぐに採用に結びつかなくても、将来的に転職を考えた際に第一想起される存在になっておくことで、中長期的に安定した採用ルートを構築することができます。

人材確保のための企業のアイデア事例とは?

実際に独自のアプローチで人材確保に取り組んでいる企業の事例を見ることで、自社に応用できるヒントが得られます。ここでは特徴的な取り組みを紹介します。

ユニークな休暇制度で定着率向上

人材確保の事例として、女性向けスマートフォンゲームを開発・運営する株式会社ジークレストが、女性向けゲーム制作を支える新制度「STYLEプラス」を導入した取り組みが挙げられます。「STYLEプラス」では、推しメン(好きなキャラクターや俳優など)の誕生日・記念日にあわせて1日休暇を取得でき、あわせてお祝い支援も行う仕組みが紹介されています。趣味や価値観を職場が一定程度受け止める設計により、従業員が自分らしく働ける感覚につながりやすい点が特徴です。結果として、定着や応募動機の形成にもつながる可能性がある施策として捉えられます。

参考:PRTIMES「ジークレスト、「推しメン」の記念日が休暇になる制度を導入」

育児・介護と仕事の両立を長期で支える

サイボウズは育児・介護休暇制度として、育児・介護休暇を最長6年間取得できると記載しています。ライフイベントによる離職リスクが高まりやすいタイミングに対し、制度として選択肢を提示している点は、安心材料になり得ます。人材確保のアイデアとしては、短期の支援だけでなく、長期の見通しを制度で担保する発想が参考になります。

参考:サイボウズ株式会社「企業概要2025(PDF)」

参考:サイボウズ株式会社「データ一覧|サイボウズの人的資本経営」

まとめ

人材確保は、単に人を集めるだけでなく、定着して活躍してもらうまでのトータルな設計が必要です。自社の課題が「採用」にあるのか「定着」にあるのかを見極め、コストやリソースに合わせた施策を実行していくことが大切です。

記事の要点をまとめます。

  • 人材確保は「入り口(採用)」と「出口(定着)」の両輪で対策を行う必要がある。
  • リファラルやSNS、ダイレクトリクルーティングなど、待ちの採用から攻めの採用へ転換する。
  • サンクスカードや1on1など、金銭的コストをかけずに定着率を高める工夫は多数ある。
  • 副業人材やシニア層など、正社員フルタイム以外のターゲットにも視野を広げる。
  • 自社の強みやリアルな情報を発信することで、ミスマッチのない採用を実現する。

まずは自社で導入できそうなアイデアを一つ選び、小さくテストしてみることから始めてみましょう。行動を起こすことで、必ず現状の課題解決への糸口が見つかるはずです。

この記事を書いた人

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千里運輸マーケティング戦略推進室

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