配送センターとは?物流センターとの違いや役割、業務内容をわかりやすく解説

配送センターとは?物流センターとの違いや役割、業務内容をわかりやすく解説

ECサイトの普及により、迅速で正確な配送サービスは顧客満足度を左右する重要な要素となりました。その物流の最前線を担うのが「配送センター」です。しかし、「物流センターと何が違うの?」「具体的にどんな業務を行っているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、配送センターの基本的な役割から業務内容、メリット・デメリットまでを網羅的に解説し、企業の物流戦略を考える上での重要なポイントを明らかにします。

配送センターとは?物流のラストワンマイルを担う拠点

配送センターは、メーカーや倉庫から集約された商品を、最終的な届け先である店舗や消費者へと効率的に送り出すための施設です。特に、顧客に商品が届くまでの最終区間「ラストワンマイル」において中心的な役割を果たします。

決まったエリア内への配送を効率化する役割

配送センターの最も重要な役割は、特定の地域やエリア内における配送業務を専門的に担い、効率化することです。大型のトラックで輸送されてきた大量の商品を一度受け入れ、届け先ごとにきめ細かく仕分けし、小型トラックなどに積み替えて各店舗や個人宅へ配送します。これにより、多品種小ロットの配送ニーズに迅速に対応し、配送ルートの最適化や時間の短縮を実現しています。

物流センターとの違いは「保管」と「配送」のどちらに重点を置くか

「配送センター」と「物流センター」はしばしば混同されますが、その機能には明確な違いがあります。一番の違いは、業務の重点がどこにあるかです。物流センターが商品の「保管」や在庫管理、流通加工といった幅広い機能を持つのに対し、配送センターは「配送」に特化している点が特徴です。

施設の種類主な機能重点
配送センターエリア内の仕分け、積み替え、配送配送(物の流れを止めない)
物流センター在庫保管、入出庫管理、流通加工、梱包、発送保管(幅広い物流機能)

つまり、物流センターが物流プロセス全体をカバーする広範な拠点であるのに対し、配送センターはそこから商品を最終目的地へ届けるための、より地域に密着した拠点と位置づけられます。

混同しやすい「輸送」「配送」「運送」の違い

物流の世界では、「輸送」「配送」「運送」という言葉が使われますが、それぞれ意味合いが異なります。この違いを理解することで、配送センターの役割がより明確になります。

用語意味
輸送長距離・大ロットの一次的な移動工場から物流センターへ大型トラックや鉄道で商品を運ぶこと
配送短距離・小ロットの二次的な移動配送センターから各店舗や消費者へ小型トラックで商品を届けること
運送トラックを使って物を運ぶ行為そのもの運送会社がトラックで荷物を運ぶこと全般

配送センターが担うのは、主にこの「配送」の部分であり、「輸送」されてきた荷物を受け取り、最終的な届け先まで届ける重要な中継点となっています。

配送センターの主な業務内容

配送センターでは、商品がスムーズに顧客の元へ届くよう、一連の業務が連携して行われています。入荷から出荷まで、その具体的な業務フローを見ていきましょう。

商品の受け入れと検品

まず、工場や他の物流拠点からトラックで運ばれてきた商品を受け入れます。この際、納品書と照らし合わせ、商品の種類、数量、ロット番号などに間違いがないか、また商品に破損がないかを確認する「検品」作業を行います。この工程での正確性が、後のすべての業務の品質を保証する第一歩となります。

配送先ごとの仕分けと保管

検品を終えた商品は、配送エリアや店舗、顧客ごとに仕分けられます。在庫を持つタイプの配送センター(DC)であれば、一時的に商品を棚などの決められたロケーションに保管し、在庫管理システムに登録します。この仕分け作業の効率が、配送のスピードと正確性に直結します。

梱包と出荷、そして配送管理

出荷指示に基づき、保管場所から商品を取り出す「ピッキング」作業を行います。その後、商品を段ボールなどで梱包し、配送中に破損しないように緩衝材を詰めます。納品書や送り状を添付したら、届け先ごとに荷物をまとめ、配送スケジュールに沿ってトラックに積み込み「出荷」します。出荷後は、荷物が無事に届けられたかを確認する配送状況の追跡管理も重要な業務です。

配送センターの種類とそれぞれの特徴

配送センターは、その機能によっていくつかの種類に分類されます。代表的なものが、在庫を保管する「DC」と、在庫を持たない「TC」です。自社のビジネスモデルや扱う商品によって、どちらのタイプが適しているかが異なります。

在庫を保管する「DC(ディストリビューションセンター)」

DC(Distribution Center)は「在庫型センター」とも呼ばれ、センター内に商品を在庫として保管する機能を持つのが特徴です。受注があるたびに在庫から商品をピッキングし、梱包・出荷します。アパレルや雑貨など、需要の予測が難しい商品を扱うECサイトなどで広く利用されています。

DCのメリットDCのデメリット
欠品リスクを減らせる在庫管理コストがかかる
受注から出荷までの時間を短縮できる広い保管スペースが必要
まとめ買いなど柔軟な注文に対応可能在庫が滞留するリスクがある

在庫を持たない「TC(トランスファーセンター)」

TC(Transfer Center)は「通過型センター」と呼ばれ、DCとは対照的に在庫を保管する機能を持たないのが特徴です。TCでは、入荷した商品を在庫として保管せず、そのまま配送先ごとに仕分け(クロスドッキング)して、すぐにトラックに積み替えて出荷します。賞味期限の短い食品や、毎日決まった量が売れるコンビニエンスストアの商品などを扱うのに適しています。

TCのメリットTCのデメリット
在庫管理コストが不要在庫がないため急な需要変動に対応しにくい
センター内の作業がシンプルで効率的高度な情報システムと連携が必要
商品の滞留がなくリードタイムが短い納品と出荷のタイミング調整がシビア

その他の物流拠点(PC、FCなど)

DCやTCの他にも、特定の機能に特化した物流センターが存在します。

  • PC(プロセスセンター):精肉や鮮魚などの生鮮食品の加工やパック詰め、値札付けといった流通加工機能に特化したセンターです。
  • FC(フルフィルメントセンター):EC通販に特化した物流センターで、商品の保管から受注、ピッキング、梱包、発送、さらには決済処理や返品対応、カスタマーサービスまで、通販に関わる一連の業務を代行します。

配送センターを設置するメリット

自社の物流網に配送センターを組み込むことで、企業は多くのメリットを得ることができます。特にコスト面とサービス品質の向上に大きく貢献します。

配送リードタイムの短縮

消費地に近い場所に配送センターを設置することで、顧客からの注文後、商品を届けるまでの時間(リードタイム)を大幅に短縮できます。これは、ECサイトなどスピードが競争優位性となるビジネスにおいて、顧客満足度を高める上で非常に大きなメリットとなります。

配送コストの削減

長距離輸送を大型トラックに集約し、配送センターから各届け先へは小型トラックで効率的なルート配送を行うことで、全体の輸送・配送コストを最適化できます。また、複数の納品業者の商品を配送センターで一括して受け取り、共同で配送する「共同配送」の仕組みを構築すれば、さらなるコスト削減が期待できます。

地域ごとの細やかなニーズへの対応

エリアごとに配送センターを設けることで、その地域の特性や顧客のニーズに合わせた柔軟な配送サービスを展開しやすくなります。たとえば、特定の地域限定のセール商品や、時間指定配送への細やかな対応などが可能になり、サービスの質を高めることができます。

配送センター設置におけるデメリットと課題

多くのメリットがある一方で、配送センターの設置には当然ながらデメリットや考慮すべき課題も存在します。特にコストと運用の側面からの検討が不可欠です。

拠点設立のための初期投資と維持コスト[優松1]


配送センターを新たに設立するには、土地や建物の賃貸・購入費用、棚やフォークリフトなどのマテハン機器の導入費用、在庫管理システム(WMS)の構築費用など、多額の初期投資が必要です。さらに、設立後も人件費、水道光熱費、設備のメンテナンス費用といったランニングコストが継続的に発生します。

 [優松1]参考:

国土交通省「物流を取り巻く動向と物流施策の現状・課題」 

Rally Growth「WMSの導入費用はいくら?5年間利用した予算目安まで具体的に解説」

在庫管理の複雑化と人材確保

在庫を持つDC(ディストリビューションセンター)を運営する場合、適切な在庫管理が不可欠です。在庫が多すぎれば保管コストが増大し、少なすぎれば欠品による販売機会の損失につながります。また、倉庫内での作業を行うスタッフや、配送ドライバーの確保と教育も重要な課題となります。

災害時などにおけるリスク分散の必要性

物流拠点を一か所に集中させてしまうと、地震や洪水といった自然災害が発生した際に、物流網全体が機能不全に陥るリスクがあります。事業継続計画(BCP)の観点からも、複数の拠点を設けてリスクを分散させるなどの対策が求められます。

配送センター業務はアウトソーシングも有効な選択肢

自社で配送センターを構築・運営するリソースがない、あるいはコア業務に集中したいと考える企業にとって、物流業務を専門企業に外部委託するアウトソーシング(3PL:サードパーティー・ロジスティクス)は非常に有効な解決策です。

アウトソーシング(3PL)のメリット

物流のプロに業務を委託することで、多くのメリットが生まれます。

項目詳細
コスト削減自社で施設や人材を抱える必要がなく、初期投資を大幅に抑制できます。物量に応じた従量課金制のサービスも多く、変動費化しやすいです。
品質の向上専門業者が持つノウハウや最新のシステムを活用することで、誤出荷の削減やリードタイムの短縮など、物流品質の向上が期待できます。
コア業務への集中物流というノンコア業務を専門家に任せることで、自社は商品開発やマーケティングといった本来注力すべきコア業務に経営資源を集中できます。

委託する際のポイントと業者の選び方

アウトソーシングを成功させるためには、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。委託先を選定する際は、以下のポイントを確認しましょう。

項目詳細
業務範囲の明確化どこまでの業務を委託したいのか(入荷、保管、出荷、返品対応など)を事前に明確にし、対応可能かを確認します。
実績と得意分野の確認自社が扱う商材(アパレル、食品、化粧品など)の取り扱い実績が豊富か、EC物流に強いかなど、業者の得意分野を見極めます。
現場の見学契約前には、実際に委託する予定の配送センターを見学し、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が徹底されているか、スタッフの対応は丁寧かなどを自分の目で確認することが大切です。  

まとめ

配送センターは、商品を消費者の元へ迅速かつ効率的に届けるための重要な物流拠点です。物流センターとの違いを正しく理解し、DCやTCといった種類の中から自社のビジネスに最適な形態を選択することが、物流戦略の成功に繋がります。自社での拠点構築には多額の投資と専門知識が必要となるため、専門業者へのアウトソーシングも有力な選択肢として検討する価値があります。本記事で解説した内容が、貴社の物流課題解決の一助となれば幸いです。

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千里運輸マーケティング戦略推進室

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