ラストワンマイル物流とは?課題解決の具体策と成功事例を徹底解説

ラストワンマイル物流とは?課題解決の具体策と成功事例を徹底解説

物流コストの高騰や慢性的なドライバー不足に悩んでいないでしょうか。この記事では、EC事業者や運送会社の方に向けて、物流の最終区間であるラストワンマイルの意味と直面している課題を解説します。読み終わると、AIを活用したシステム導入や多様な受取方法など、自社の配送効率を高めるための具体的なアクションが明確になります。

物流におけるラストワンマイルとは?

私たちがスマホで注文した商品が、玄関先に届くまでの最後の区間を、物流用語で「ラストワンマイル」と呼びます。一見、配送網の終点に過ぎないように思えますが、実は物流コストの多くを占め、ブランドの印象を決定づける非常にデリケートな工程です。ここでは、その正確な定義や、サプライチェーンにおける役割、そしてなぜ今これほどまでに重要視されているのか、その核心を解説します。

項目詳細な説明
意味・定義最終的な配送拠点から、エンドユーザー(消費者)の手元へ商品が届くまでの最後の配送区間のことです。
対象となる領域個人宅への宅配便、飲食店からのフードデリバリー、店舗から自宅へのネットスーパー配送などが該当します。
サプライチェーン内の位置生産工場から倉庫までの「ファーストマイル」、倉庫間の移動である「ミドルマイル」に続く最終工程にあたります。
企業にとっての価値顧客と直接対面する唯一の接点であり、サービス品質が顧客満足度やブランド評価に直結する重要なプロセスです。

ラストワンマイルの定義

ラストワンマイルとは、物流センターや地域の配送営業所から、最終的な届け先である消費者の手元に商品が渡るまでの区間を指します。元々は通信業界で、基地局から各家庭までの通信回線を意味する言葉として使われていました。それが現在では、物流業界において「最後の配送区間」を表す専門用語として定着しています。この区間は物理的な距離がちょうど1マイル(約1.6キロメートル)である必要はありません。あくまでサプライチェーンにおける最終的なプロセスを象徴する表現と言えます。

具体的には、私たちが普段利用している宅配便やネットスーパーの配達、フードデリバリーなどがこの領域に含まれます。企業間で行われる大型のトラック輸送とは異なり、個人宅への配送は届け先が広範囲に分散しています。そのため、小型の配送車両や自転車、バイクなどが活用されることが多いのも特徴です。多様な住宅事情や道路環境に合わせて柔軟に対応する必要があるため、物流業務の中でも特に難易度が高い工程とされています

なぜラストワンマイルが重要視されるのか

ラストワンマイルが物流において非常に重要視されている理由は、顧客と直接接点を持つ唯一の工程だからです。ECサイトでどれほど素晴らしい商品を購入し、使いやすい決済システムを提供したとしても、最後の配送が遅れたり荷物が破損したりすれば、顧客の不満につながります。配送担当者の身だしなみや対応の丁寧さも含めて、この最終区間の品質が企業全体のブランドイメージを決定づける傾向があります。

また、顧客のライフスタイルの多様化に伴い、受け取りに関するニーズも変化してきました。指定した時間帯に正確に届けてほしいという要望や、不在時でも安全に受け取りたいといった要望が増加しています。これらの期待に応えることが、競合他社との差別化を図るうえで大きな武器となります。さらに、物流全体にかかるコストのうち、この最終区間に多大な費用が発生していることも見逃せません。効率よく配送を行うことができれば、利益率の大幅な改善が期待できます。顧客満足度の向上とコスト削減の両立を図るため、多くの企業がこの領域の改善に注力しています。

ラストワンマイル物流が直面する深刻な課題

現在、ラストワンマイル物流は単なる配送の効率化では解決できない、極めて深刻な課題をいくつも抱えています。物流網の維持すら危ぶまれる現状を、具体的なデータとともに紐解いていきましょう。

直面している課題現状のデータや背景影響とリスク
EC市場の拡大に伴う物量増加2023年の日本のBtoC-EC市場規模は24.8兆円(前年比9.23%増)に達しています。小口配送が急激に増加し、配送業者の処理能力を圧迫しています。
再配達の発生2024年10月時点の宅配便の再配達率は約10.2%となっています。燃料費の無駄やドライバーの労働時間増加など、甚大なコスト増を招いています。
ドライバー不足と2024年問題労働基準法改正により、トラックドライバーの時間外労働の上限が規制されました。運べる荷物の量が減少し、物流網の維持が困難になるリスクが高まっています。

EC市場の拡大に伴う物量増加

近年、スマートフォンの普及やライフスタイルの変化により、インターネット通販を利用する消費者が急増しています。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、2023年の日本国内におけるBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、24.8兆円に達しました。前年比で9.23%増という高い成長率を示しており、その中でも物販系分野が14.6兆円規模を占めています。

この市場の拡大は企業にとって喜ばしい反面、物流現場には多大な負担を強いる結果となりました。個人向けに購入される商品は、企業間取引に比べて1件あたりの荷物が小さく、届け先が広範囲に点在しています。いわゆる小口多頻度配送と呼ばれる形態が主流となり、効率的に荷物をまとめて運ぶことが難しくなっています。

結果として、1台のトラックに積載できる荷物の量が減少し、配達のために走行する距離は長くなります。需要の増加に対して配送能力の供給が追いつかず、繁忙期には配送遅延が発生しやすい状況が続いています。物流拠点のキャパシティを超えてしまうリスクもあり、システム全体の抜本的な見直しが求められています。

参考:経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

【関連記事】EC物流の課題を解決する方法とは?成功事例や業務フローも解説|千里運輸オウンドメディア

再配達の発生による非効率とコスト増

ラストワンマイルにおいて長年の懸案となっているのが、受取人の不在による再配達問題です。国土交通省の調査によると、2024年10月の宅配便の再配達率は約10.2%となっており、10個に1個の荷物が一度で届けられていない計算になります。政府は2024年度中に再配達率を6%まで引き下げる目標を掲げていますが、依然として高い水準に留まっています。

再配達が発生すると、ドライバーは同じ届け先に何度も足を運ばなければなりません。これにより、余分な燃料が消費されるだけでなく、CO2排出量の増加といった環境への悪影響も生じます。また、再度訪問するためのルートをその都度組み直す必要があり、配車計画の精度を著しく低下させる要因にもなります。

企業側の視点で見ると、この無駄な稼働はそのまま見えないコストとして利益を圧迫します。本来であれば別の荷物を届けられたはずの時間が失われるため、機会損失も小さくありません。再配達をいかに減らすかが、配送効率を劇的に改善するための大きな鍵を握っています。

参考:国土交通省「令和6年10月の宅配便の再配達率は約10.2%~前年同月比0.9ポイント減少、前回比0.2ポイント減少~」

参考:国土交通省「宅配便の再配達削減に向けて」

【関連記事】物流コスト高騰はなぜ続く?4つの原因と今すぐできる7つの対策を解説|千里運輸オウンドメディア

H3:物流の2024年問題とドライバー不足

物流業界全体を揺るがしているのが、いわゆる「2024年問題」と呼ばれる労働環境の変化です。2024年4月より、働き方改革関連法に基づき、トラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限規制が適用されました。これによりドライバーの長時間労働が是正される一方で、1人あたりが1日に運べる荷物の量が物理的に減少しています。

さらに、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、業界全体で慢性的な人手不足が続いています。運転免許制度の変更や業務の過酷なイメージもあり、若い世代の新規就業者が集まりにくい状況です。経験豊富なベテランドライバーの高齢化も進んでおり、配送ノウハウの継承が急務となっています。荷物が増加しているにもかかわらず、それを運ぶ担い手が減っているという需給の不均衡が起きています。

このまま何も対策を講じなければ、今まで通りに荷物が届かなくなる「物流危機」が現実のものになりかねません。人に依存した従来の労働集約型の配送モデルから脱却し、テクノロジーの力を借りた新しい仕組みづくりが必要とされています。

参考:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」

参考:国土交通省「物流の2024年問題について」

参考::国土交通省「トラック運送業の現状等について」

【関連記事】物流の人手不足が深刻化する原因は?2024年問題のリスクと対策を解説|千里運輸オウンドメディア

ラストワンマイル物流の課題に対する具体的な対策

山積する課題を前に、物流の現場は今、大きな転換期を迎えています。ルートの無駄を徹底的に省くデジタルツールの活用から、再配達を物理的にゼロに近づける受取環境の整備まで、現場がすぐにでも取り入れるべき戦略的な対策が次々と登場しています。持続可能な配送網を構築するための、3つの重点施策を解説します。

具体的な解決策期待できる主な効果とメリット実践のためのステップ
AIによる配送ルートの最適化走行距離の短縮、燃料費の削減、新人ドライバーの即戦力化が期待できます。過去の配送データや交通情報を学習できるクラウド型システムの導入を検討します。
受取方法の多様化の推進不在時の再配達を防止し、ドライバーの労働時間を大幅に削減します。置き配オプションの標準化や、コンビニ受け取り機能のシステム連携を進めます。
共同配送の導入トラックの積載率を向上させ、エリアあたりの配送効率を高めます。同業他社や異業種の企業と連携し、物流拠点のシェアリングを協議します。

配送ルートの最適化とAI技術の活用

ドライバーの勘と経験に頼っていた配車計画を、AI(人工知能)を活用してシステム化するアプローチが注目されています。AIシステムは、届け先の住所や指定時間、荷物の重量、さらにはリアルタイムの渋滞情報などを瞬時に計算します。これらの複雑な条件を加味したうえで、最も効率よく回れる配送ルートを自動的に作成することが可能です。

この技術を導入することで、配車担当者の業務負担が大幅に軽減されます。また、作成された最適なルートをスマートフォンのアプリなどでドライバーに共有できるため、土地勘のない新人ドライバーでも迷わずに配送業務をこなすことができます。結果として、人材育成にかかる時間とコストを抑える効果も期待できます。

走行距離が短縮されることで、燃料費の削減や車両の摩耗を防ぐことにもつながります。環境負荷の低減という観点でも、企業としてSDGs(持続可能な開発目標)に貢献する取り組みと言えます。まずは小規模なエリアからテスト導入を行い、効果を検証しながら適用範囲を広げていく方法を推奨します。

【関連記事】物流AIでコスト削減と効率化を実現!導入メリットと成功事例を解説|千里運輸オウンドメディア

置き配や宅配ボックスなど受取方法の多様化

再配達を根本から減らすためには、消費者がライフスタイルに合わせて受け取り方を選べる環境を整えることが重要です。その代表的な施策が、玄関前やガスメーターボックスなどに荷物を指定して置く「置き配」の普及です。受取人が不在であっても配達を完了できるため、ドライバーの再訪問の手間を劇的に削減できます。

また、駅や商業施設に設置されたオープン型宅配ボックスの活用も広がっています。通勤や買い物のついでに荷物を受け取れるため、日中は家を空けがちな単身世帯や共働き世帯からの需要が高まっています。ECサイトの注文画面で、これらの受取方法をデフォルトの選択肢として提示するなどの工夫が有効です。

実店舗を持つ小売企業であれば、オンラインで購入した商品を店舗で受け取れる「BOPIS(BuyOnlinePick-upInStore)」という仕組みも検討の余地があります。店舗への定期配送のトラックに荷物を混載できるため、個人宅へのラストワンマイル配送そのものを無くすことができます。ついで買いによる実店舗での売上増加も見込めるため、多くの企業が導入を進めています

参考:オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」の設置拡大について~ご利用いただける駅が増えました~|東京都交通局

物流拠点の分散化と共同配送の推進

従来の物流ネットワークは、郊外にある巨大な倉庫から広域へ配送する中央集権型が主流でした。しかし、配送距離が長くなるほどラストワンマイルの非効率性が目立つようになります。そこで、消費者の生活圏に近い都市部の空き店舗などを小型の配送拠点(マイクロフルフィルメントセンター)として活用する動きが活発になっています。

消費者のすぐ近くに在庫を配置することで、注文から数時間以内に届けるクイックコマースなどの迅速な配送が可能になります。移動距離が短いため、自転車や台車によるエコな配達網を構築しやすいという利点もあります。自社の店舗網を持つ企業は、店舗のバックヤードを配送拠点として活用することで初期投資を抑えられます。

さらに、一社単独での配送網維持が難しい場合は、複数企業で荷物を持ち寄る「共同配送」が高い効果を発揮します。同じエリアに向かう他社の荷物を1台のトラックにまとめて積載することで、積載率の向上と車両台数の削減を実現できます。競合関係にある企業同士であっても、物流領域においては協力し合うという新しいパートナーシップの形が求められています。

【関連記事】共同配送で物流コストを削減!導入のメリットと注意点をわかりやすく解説|千里運輸オウンドメディア

ラストワンマイル物流の効率化に成功した企業事例

すでに国内のトップランナーたちは、最新テクノロジーを現場に落とし込み、目覚ましい成果を上げ始めています。ここでは、AIによる徹底的な効率化を実現した事例と、自動走行ロボットによる無人配送という未来を実装した事例を紹介します。

企業名抱えていた課題導入した主な施策実現した成果
アスクル株式会社取扱商品の増加による物流センター業務の負荷増大AIを活用した需要予測システムの導入拠点間の商品移動に関する手作業の指示を約75%削減
楽天グループ株式会社配送需要の増加と将来的なドライバー不足の懸念自動搬送ロボットを活用した無人配送サービスの開始テクノロジーを活用した新しい配送モデルの社会実装

事例1:アスクル株式会社のAI需要予測システム導入

オフィス用品や日用品の通販を展開するアスクル株式会社は、取扱商品の増加に伴い物流センターの効率化が大きな課題となっていました。特に、全国にある物流センターとその近郊の補充倉庫との間で商品を移動させる「横持ち計画」において、担当者の手作業による調整が限界を迎えていました。これを解決するため、同社はAIを活用した需要予測モデル「ASKUL AI DemandForecast」を導入しました。

このシステムは、過去の膨大な販売データや在庫状況をAIが分析し、「いつ・どこからどこへ・何を・いくつ運ぶべきか」を自動で指示する仕組みです。人間が複雑な計算を行って計画を立てる必要がなくなり、より精度の高い在庫の適正配置が可能になりました。これにより、過剰在庫や欠品のリスクを最小限に抑える体制が構築されています。導入の結果、手作業で行っていた在庫移動の指示業務が約75%も削減されるという大きな成果を上げています。

また、入出荷作業の工数やフォークリフトの稼働時間も減少し、倉庫内業務全体の最適化が進展しました。AIの予測データを物流計画に組み込むことで、現場の負担軽減とコスト削減を同時に実現した優れた事例と言えます。

参考:物流センターと補充倉庫間の商品横持ち計画にAI需要予測モデルを活用|ASKULTransformationwithDigital

事例2:楽天グループ株式会社の自動搬送ロボット活用

ECモールを運営する楽天グループ株式会社は、今後の労働力不足を見据え、ラストワンマイルの自動化に向けた取り組みを加速させています。その一環として、2024年11月に東京都内で自動搬送ロボットを活用した「楽天無人配送」のサービスをスタートしました。これは、注文された商品をロボットが自律走行して届けるという画期的な仕組みです。このサービスの背景には、2024年1月の道路交通法改正があります。小型の自動配送ロボットが「遠隔操作型小型車」として定義され、歩行者と同じルールで歩道を走行できるようになったことが法的な後押しとなりました。

ユーザーがスマートフォンから商品を注文すると、指定した自宅やオフィスまでロボットが安全に荷物を運搬します。この無人配送モデルは、ドライバーに依存しない新しい物流ネットワークの構築に向けた大きな一歩となります。現時点では走行エリアや対象商品に制限があるものの、実証実験を通じて運用ノウハウが蓄積されています。テクノロジーの進化により、将来的には日常的な配送手段として定着する可能性を秘めた事例と考えられます。

参考:楽天、自動配送ロボットによる小売店や飲食店の商品配送サービス「楽天無人配送」を東京都晴海周辺で提供開始|楽天グループ株式会社

ラストワンマイル物流の未来像と新技術

物流の課題解決は、単なる効率化のフェーズを超え、テクノロジーによる構造そのものの再定義へと進んでいます。これからの物流ビジネスにおいて不可欠となる、注目の新技術とその実用化に向けた現在地を整理します。

注目の新技術・仕組み概要と物流にもたらす変化実用化に向けた現状と課題
ドローンによる空中配送交通渋滞を回避し、直線距離で迅速に荷物を届ける次世代の運搬手段です。山間部や離島での実証実験が進んでおり、都市部での法整備が課題となっています。
自動配送ロボット歩道などを自律走行し、顧客の指定場所まで無人で荷物を運ぶ小型モビリティです。道路交通法の改正により一部で商用化が始まり、運用エリアの拡大が期待されます。
デジタルツイン技術物理的な物流網をデジタル空間に再現し、シミュレーションを行う技術です。サプライチェーン全体のボトルネックを可視化し、最適な拠点配置の設計に役立ちます。

ドローンや配送ロボットによる無人配送の普及

労働力不足を抜本的に解決する手段として、無人機を活用した配送網の構築が急速に進められています。空の道を利用するドローン配送は、地上の交通渋滞に巻き込まれることなく、最短距離で目的地へ到達できるのが最大の魅力です。特に、配送効率が悪化しやすい過疎地域や離島における生活インフラの維持手段として、すでに複数の自治体で実証実験が成功しています。

一方で、都市部の住宅街やオフィス街では、地上を走行する自動配送ロボットの活用が有望視されています。複数のセンサーとカメラを搭載したロボットが、障害物や歩行者を検知しながら安全に歩道を自律走行します。到着をスマートフォンに通知し、顧客自身が暗証番号を入力して荷物を取り出すため、セキュリティ面も確保されています。

これらの無人配送技術が社会に浸透すれば、人間のドライバーは大型車両による長距離輸送など、より高度な判断が必要な業務に専念できるようになります。技術的な課題だけでなく、安全基準の策定や地域住民の理解促進といった社会的な受容性の向上も並行して進めていく必要があります。企業としては、将来的な導入を見据えて最新の動向を継続的に情報収集することが重要です。

参考:経済産業省「配送ロボットの公道等での実証及び実装に向けた取組(令和6年2月)」

参考:国土交通省「バリアフリーナビプロジェクト自動配送ロボット実証実験資料(PDF001479667)」

デジタルツインを活用したサプライチェーン全体の最適化

ラストワンマイルの課題は、最終区間だけで完結するものではなく、上流のサプライチェーン全体と密接に連動しています。そこで注目を集めているのが、現実世界の物理的な環境を仮想空間にそっくりそのまま再現する「デジタルツイン」という技術です。倉庫の稼働状況やトラックの位置情報、リアルタイムの気象データなどをIoTセンサーを通じて収集し、デジタル空間に同期させます。この仮想空間上でシミュレーションを行うことで、現実世界では試すのが難しい大規模な物流網の変更を事前に検証することができます。

例えば、新しい配送拠点を設置した場合に配達時間がどれだけ短縮されるか、悪天候時にどのルートを迂回すべきかといった予測が高精度で行えます。潜在的なボトルネックを事前に発見し、トラブルを未然に防ぐプロアクティブな管理が可能になります。企業全体でデータを一元管理することで、部門間のサイロ化を防ぎ、経営陣が迅速な意思決定を下すための基盤となります。

この技術はまだ発展途上ではあるものの、データに基づいた科学的なアプローチで物流を設計する機運は確実に高まっています。アナログな業務をデジタル化し、データの蓄積を始めることが、次世代の物流競争を勝ち抜く第一歩となります。

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • ラストワンマイルは顧客接点の最終区間であり企業のブランド評価を左右する重要なプロセスです。
  • EC市場の急拡大やドライバー不足といった課題にはAI技術や受取方法の多様化が有効な対策となります。
  • ドローンや自動配送ロボット、デジタルツインなどの新技術は、配送の無人化やサプライチェーン全体の最適化を可能にする次世代の鍵となります。

これらのポイントを踏まえ、自社の物流課題に合わせた具体的な改善策の検討を始めてみてください。

ラストワンマイルの小口配送やルート配送にお悩みではありませんか。千里運輸グループでは、中型・小型車両を活用した小ロットのお荷物配送に柔軟に対応しております。野球場やイベント会場など、時間や条件が厳しい納品先への輸送も可能です。確かな品質と豊富な現場力で、お客様の物流課題をスピーディに解決いたします。詳しいサービス内容は、以下のページよりご覧いただけます。

輸送|千里運輸オウンドメディア

この記事を書いた人

アバター画像

千里運輸マーケティング戦略推進室

千里運輸グループでは、「流通・加工」「⼈材派遣」「倉庫」「輸送」に関する各種情報を発信し、物流業界に関わる皆さまのお役に立つコンテンツをお届けしています。