小口配送とは?メリットやデメリット、コスト削減のポイントを解説

小口配送とは?メリットやデメリット、コスト削減のポイントを解説

配送料の高騰や配送回数の増加による物流費の圧迫は、数多くの企業が抱える課題です。結論から言うと、少量の荷物を届ける小口配送は在庫リスクの回避や鮮度維持に優れる反面、物流コストの増大を招きやすい手法です。コストの課題を解消するには、チャーター便や配車システムの活用による最適化が求められます。小口配送の基礎知識から、他の配送手段との違い、コスト削減に向けた具体的な解決策までを整理します。

小口配送とは?多頻度小口配送や個口との違い

小口配送は少量の荷物を届ける仕組みであり、現代の物流において重要な役割を担う手法です。用語の意味や関連する概念との違いを整理します。

一つの納品先に少量の荷物を配送する方式

小口配送とは、一度に大量の荷物を運ぶのではなく、多数の納品先に対して少量ずつの荷物を届ける配送方式です。小売店や個人宅への配送で広く利用されています。まとまった量を運ぶ大口配送に比べて車両の積載スペースが余りやすいため、複数の荷主の荷物を混載して運ぶ路線便(ろせんびん:複数の企業の荷物を一つのトラックに積み合わせて運ぶ輸送方式)が使われるケースが一般的です。

必要な分を頻繁に届ける多頻度小口配送が主流

現在の物流では、必要な分だけを高い頻度で届ける多頻度小口配送が主流になっています。コンビニエンスストアやスーパーマーケットの普及にともない、バックヤードの保管スペースを最小限に抑えたいという店舗側のニーズが高まった背景があります。1日に複数回の納品を行うことで、店頭の品揃えを維持する役割を果たしています。

参考:国土交通省「検討の背景②物流を取り巻く現状と課題」

参考:国土交通省「今後の物流政策の基本的な方向性等について(答申案のポイント)」

個口は荷物の単位であり小口は配送の仕組みを表す

個口(こぐち:荷物の数量を数える単位)と小口(こぐち:配送の規模や仕組み)は、意味が異なります。個口は「荷物が3個口ある」のように、段ボールなどの梱包単位を表す言葉として使われます。小口は配送手配の規模を指す言葉であり、「小口で配送を依頼する」といった形で用いられます。現場で混同されやすい言葉ですが、用途が明確に分かれています。

小口配送と他の配送方法との違い

大口配送やルート配送など、他の配送方法との違いを把握することで自社に適した手段を選択できます。前章で解説した小口配送を含め、代表的な配送方法の特徴を整理します。

配送方法特徴配送の規模・頻度
小口配送一つの納品先に少量の荷物を届ける少量・多頻度
大口配送特定の拠点へ一度に大量輸送する大量・低頻度
ルート配送決められた店舗を固定順で巡回する一定量・定期
軽貨物チャーター便車両を貸し切り指定場所へ直行する状況に応じて変動

大口配送は特定拠点へ一度に大量輸送する

大口配送は、大型トラックを利用して特定の物流拠点や倉庫へ一度に大量の荷物を輸送する方式です。工場から地域の物流センターへの輸送などで用いられます。トラック1台あたりの積載効率が高いため、荷物1個あたりの輸送単価を抑えられます。まとまった量の在庫を保管できる大規模な施設向けの輸送手段です。

ルート配送は決められた店舗を固定順で巡回する

ルート配送は、あらかじめ決められた複数の店舗や拠点を固定の順番で巡回して納品する方式です。チェーン展開している飲食店や小売店への配送で導入されています。配送ルートや時間が固定されているため、店舗側は荷受けのスケジュールを立てやすく、業務の効率化につながります。

軽貨物チャーター便は貸切車両で直行する

軽貨物チャーター便は、軽トラックや軽バンなどの車両を一台貸し切り、指定された場所へ荷物を直行させる方式です。他の荷主の荷物と混載しないため、途中の積み替え作業が発生しません。破損リスクを下げたい精密機器の輸送や、緊急で部品を届けたい場面で活躍します。

小口配送を導入するメリット

小口配送を取り入れることで、店舗側の負担軽減や商品の品質維持に直結する利点があります。企業が得られる具体的なメリットを3つに分けて整理します。

必要分のみの発注で過剰在庫リスクを回避できる

こまめに必要な分だけを発注できるため、店舗や倉庫に過剰な在庫を抱えるリスクを抑えやすくなります。需要の変動が激しい商品であっても、売れ行きを見ながら少しずつ補充できます。売れ残りにともなう廃棄ロスや値引き販売を減らす効果も期待できます。

在庫回転率の向上で保管や管理コストを削減できる

在庫回転率(ざいこかいてんりつ:一定期間内に在庫が入れ替わる回数)が向上し、保管スペースや管理にかかる人件費の削減につながります。例えば月間の販売数が100個の商品に対し、一度に100個仕入れるのではなく10個ずつ10回に分けて納品すれば、必要な保管スペースは10分の1で済みます。限られた店舗面積を売り場として有効活用できます。

H3:入出庫サイクルの短期化で鮮度を維持できる

商品の入出庫サイクルが早まるため、食品などを扱う場合は常に鮮度の高い状態を保って提供できます。お弁当や惣菜、生鮮食品など、消費期限が短い商材を扱うスーパーマーケットにおいて効果を発揮します。鮮度の高さは顧客満足度の向上に大きく寄与するため、競合店舗との差別化にもつながります。

小口配送が抱えるデメリットと課題

利点が多い一方で、小口配送は配送回数の増加によるコストや環境への負荷といった課題を抱えています。検討時に考慮すべきデメリットを整理します。

配送回数の増加で物流コストが上昇する

荷物を少量ずつ何度も運ぶため、配送料やドライバーの人件費がかさみ、全体の物流コストが上昇します。一度の配送で運ぶ荷物の量が少ないため、トラックの積載スペースに空きが生じやすく、輸送効率が低下します。売上に対する物流費の割合が高まり、企業の利益を圧迫する要因となります。

【関連記事】物流コスト高騰はなぜ続く?4つの原因と今すぐできる7つの対策を解説|千里運輸オウンドメディア

トラックの待機によりCO2排出量が増加する

多数のトラックが頻繁に店舗や倉庫へ出入りするため、荷降ろしスペースの順番待ちが発生し、アイドリング状態でのCO2排出量が増加します。環境負荷の低減を求められる現代において、多頻度小口配送による排気ガスや交通渋滞の悪化は社会的な課題となっています。

人手不足によりドライバー確保が難しくなる

配送回数が増えればそれだけドライバーの負担が大きくなり、人手不足が続く現状では十分な人材を確保することが難しくなっています。長時間の待機や頻繁な荷降ろし作業は労働環境を悪化させる一因です。ドライバーを確保できなければ、希望する時間帯の配送枠を得られなくなるリスクがあります。

小口配送の課題を解決しコストを最適化する手段

上昇する物流コストを抑えつつ配送品質を維持するためには、車両の活用方法やシステムの導入が効果的です。コストを最適化する具体的な手段を整理します。

近距離の多拠点配送は軽貨物チャーター便を活用する

限られたエリア内の複数拠点へ配送する場合は、軽貨物チャーター便の活用が有効です。大型トラックでは進入しにくい狭い道路にある店舗への納品もスムーズに行えます。時間単位や距離単位で運賃が設定されていることが多く、自社の配送ルートに合わせて柔軟に計画を立てられます。

配送プラットフォームで空き車両とマッチングする

配送プラットフォームを活用し、荷物を運びたいタイミングで稼働可能な空き車両を見つける手法も広がっています。自社でトラックやドライバーを固定で抱える必要がないため、閑散期の固定費を削減できます。突発的な配送ニーズが発生した場合でも、迅速に車両を手配できます。

輸配送管理システムで積載率を高めてルートを算出する

輸配送管理システム(TMS:輸配送の計画や配車、運行状況を総合的に管理するシステム)を導入することで、車両の積載率向上と効率的なルート算出が可能になります。複数店舗の納品時間や荷物の量をシステムが分析し、無駄のない配車計画の作成を支援します。結果としてトラックの稼働台数や走行距離が減り、物流コストの削減につながります。

【関連記事】物流コストの削減方法とは?内訳から見直しのポイントまで徹底解説|千里運輸オウンドメディア

まとめ

小口配送は在庫管理の効率化や品質維持に貢献する一方で、物流コストの増加という課題と向き合う必要があります。

  • 小口配送は一つの納品先へ少量の荷物を届ける手法である
  • 多頻度小口配送により過剰在庫の回避と鮮度維持が可能になる
  • 配送回数の増加による物流費の上昇や環境負荷が課題となる
  • 軽貨物チャーター便や配送プラットフォームの活用がコスト削減に有効である
  • 輸配送管理システムで積載率を高め最適ルートを算出できる

自社の商材特性や拠点配置に合った配送手段を組み合わせ、物流の最適化を進めてください。

小口配送やルート配送など、自社に合った配送手段の選定にお困りの場合は、千里運輸グループの輸送サービスをご参照ください。包装容器や食品など幅広い商材への対応実績と、迅速・安全な配送体制について紹介しています。詳しくは下記をご確認ください。

輸送|千里運輸オウンドメディア


この記事を書いた人

アバター画像

千里運輸マーケティング戦略推進室

千里運輸グループでは、「流通・加工」「⼈材派遣」「倉庫」「輸送」に関する各種情報を発信し、物流業界に関わる皆さまのお役に立つコンテンツをお届けしています。