特定技能外国人を自社で採用する場合、在留資格の手続きや生活支援、教育、労務管理など、受け入れ体制の整備が必要です。こうした負担を軽減する方法として、外国人材を雇用する業務請負会社に作業を委託する選択肢があります。請負会社が人材の雇用・教育・作業管理を担うため、自社で直接採用せずに業務を任せることが可能です。
ただし、在留資格で認められた業務であることや、発注企業は直接作業指示を行ってはいけないなど、適正な請負体制が必要です。特定技能「物流倉庫」分野は2027年以降の本格的な活用が見込まれるため、現時点では永住者・定住者など、就労制限のない外国人材を活用する請負会社への委託も現実的な方法です。
本記事では、業務請負を活用した外国人材確保の具体的な方法と、委託先を選ぶ際の注意点を解説します。
目次
特定技能外国人の自社採用はどんな負担がかかるか

特定技能外国人を自社で採用する場合、単に人材を確保するだけでなく、受け入れに必要な手続きや管理体制を整える必要があります。採用時の申請手続きから、在籍期間を通じた支援義務、現場での作業管理まで、対応は多岐にわたります。
特に外国人材の受け入れ経験が少ない企業では、これらの負担が自社採用の大きなハードルになります。どのような対応が求められるのか、順に確認していきます。
1. 自社採用するとかかる手続き・支援体制の負担
特定技能外国人を直接雇用する場合、企業は受入機関として、採用時の手続きだけでなく、雇用期間中も継続的な支援や管理を行う必要があります。
例えば、特定技能1号では支援計画の作成や支援責任者・担当者の選任、住居確保の支援、生活相談への対応、日本語学習機会の提供などが求められます。また、対象分野の協議会への加入や各種届出・定期報告、在留期間の更新に伴う手続きへの対応も必要です。
これらの支援業務は登録支援機関に委託することもできますが、委託費用が発生し、雇用主としての管理責任がなくなるわけではありません。
特に、支援業務を担当できる人員が限られる中小企業では、通常業務と並行して外国人材の生活面や就労面を支えることが大きな負担となります。さらに、日本語能力や文化の違いに配慮した安全教育・作業指導など、現場担当者による継続的なフォローも必要になります。
外国人材の採用は、採用して終わりではなく、在籍期間を通じて支援体制を維持する必要があるため、継続的な管理コストも踏まえて判断することが重要です。
2. 倉庫業登録のない企業は受入機関になれない
特定技能「物流倉庫」分野では、外国人材を受け入れられる企業に一定の条件が設けられています。対象となるのは、
①倉庫業法に基づく登録倉庫業者
②一般貨物自動車運送事業者
③これらの事業者から倉庫内業務を受託している事業者
の3区分です。
そのため、EC事業者やメーカーの物流部門、小売業の自社倉庫など、倉庫業登録を持たず受入要件を満たさない企業は、原則として特定技能「物流倉庫」分野の受入機関にはなれません。自社の事業形態によっては、制度上の問題で外国人材を直接採用できないという制約があります。
ただし、受入機関になれない場合でも、外国人材を活用する方法がなくなるわけではありません。物流業務そのものを外部の物流会社に委託する方法や、業務請負会社に自社倉庫内の作業を任せる方法があります。業務請負では、外国人材を雇用するのは請負会社です。発注企業は作業を委託する立場になるため、受入機関としての要件を満たしていなくても、請負会社を通して外国人材を含む作業体制を活用できます。
業務請負に切り替えるとどう変わるか

特定技能外国人を自社採用する場合、採用手続きだけでなく、生活支援や在留資格の管理、入社後の教育など、継続的な対応が必要になります。
一方、業務請負に切り替えると、発注企業は人材を直接雇用するのではなく、請負会社に業務そのものを委託する形になります。
人材を採用して自社で管理する方法から、業務を専門会社に任せる方法へ。 この転換によって、人手不足への対応だけでなく、現場の管理負担や業務運営のあり方も見直すことができます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
1. 自社採用するとかかる手続き・支援体制の負担
特定技能外国人を自社で直接雇用する場合、企業は受入機関として、採用時だけでなく雇用期間中もさまざまな手続きや支援を行う必要があります。
例えば、特定技能1号では支援計画の作成や支援責任者・担当者の選任、住居確保の支援、生活相談への対応、日本語学習機会の提供などが求められます。さらに、対象分野の協議会への加入や定期的な届出、在留期間の更新に伴う手続きへの対応も必要です。
これらの支援業務は登録支援機関に委託することもできますが、委託費用が発生するうえ、雇用主としての責任がなくなるわけではありません。特に、支援担当者を専任で配置する余裕がない中小企業では、通常業務と並行して外国人材の生活面や就労面を支えることが大きな負担となります。
外国人材の採用は、採用して終わりではありません。 在籍期間を通じて支援体制を維持する必要があるため、継続的な管理コストも踏まえて判断することが重要です。
2. 2027年を待たずに外国人材活用を始められる
特定技能「物流倉庫」分野は2027年以降の本格的な受け入れ開始が見込まれており、新制度を利用した自社採用には、今後の制度整備を待つ必要があります。
一方、業務請負であれば、制度の開始を待たずに人手不足対策を進めることが可能です。例えば、請負会社がすでに「永住者」「定住者」など、就労制限のない外国人材を雇用し、現場の運営体制を整えている場合、発注企業は物流業務を委託することで、早期に外国人材を含む作業体制を活用できます。
これにより、新制度の開始を待たずに、外国人材を含む業務請負の運用実績を積み重ねられることがメリットです。
さらに、2027年以降、特定技能「物流倉庫」分野での受け入れが本格化した際にも、請負会社との連携や作業管理の仕組みがすでに構築されていれば、新たな制度への対応を検討しやすくなります。
人材確保を将来の制度開始まで先送りせず、今できる方法から取り組むことが重要です。
業務請負で特定技能人材を確保するときの注意点

業務請負を活用する際には、単に外国人材を確保できるかだけでなく、請負会社の管理体制や実績を確認することが重要です。
特に、外国人材の在留資格と業務内容が適合しているか、適切な安全教育や作業指導が行われているかを確認する必要があります。また、発注企業が作業員に直接指示を出すと偽装請負に該当するおそれがあるため、請負会社が独立して作業管理を行う体制づくりも欠かせません。
請負会社を選ぶ際は、人材の確保力だけでなく、現場管理力や品質管理体制まで含めて判断することが大切です。
千里運輸グループの株式会社アンティでは、人材サービスと業務請負で培ったノウハウを活かし、物流・倉庫現場の状況に応じた業務体制をご提案しています。
1. 請負会社が撤退・廃業したときの外国人材への影響
業務請負においては、外国人材の雇用主は発注企業ではなく請負会社です。そのため、請負会社が事業縮小や撤退、廃業に至った場合、外国人材の雇用継続が困難になり、在留資格の維持や更新に影響する可能性があります。
特に特定技能外国人の場合、受入機関の適切な雇用管理や支援体制が重要となるため、請負会社の経営安定性は見逃せないポイントです。
発注企業としては、請負会社の設立年数や請負実績、財務状況を確認するとともに、万が一の撤退時に代替人員の確保や業務の引き継ぎができる体制があるかを確認することが大切です。また、契約書に撤退時の対応手順や引き継ぎ義務を明記しておくことも有効でしょう。
外国人材を雇用する責任は請負会社にありますが、委託先を選定し、業務継続のリスクに備える責任は発注企業にもあります。 安定した業務運営のためにも、価格だけでなく、長期的に信頼できる請負会社を選ぶことが重要です。
2. 請負会社を選ぶときに確認すべき外国人材管理体制
外国人材を活用した業務請負では、人材の確保力だけでなく、採用・教育・労務管理から現場の品質管理まで、一貫して対応できる請負会社を選ぶことが重要です。
確認すべきポイントとして、まず外国人材の在留資格と担当業務が適合しているかが挙げられます。在留資格の範囲外の業務を行わせると、請負会社・発注企業の双方に法的なリスクが生じます。次に、現場管理者の配置や多言語対応など、適正な指揮命令体制が整っているかも重要です。発注企業が作業員に直接指示を出すと偽装請負に該当するおそれがあるため、請負会社が独立して作業管理を行える体制かどうかを確認する必要があります。
また、繁忙期の増員対応や、万が一の人員不足時にカバーできる体制があるかも、長期的な委託先として判断する際のポイントになります。人材確保力だけでなく、現場運営力と管理体制をあわせて確認することが大切です。
3. 千里運輸グループ(アンティ)の外国人材・倉庫作業請負について
外国人材を活用した業務請負を検討する際には、人材の確保力だけでなく、雇用管理や現場運営、品質管理まで一貫して任せられる会社を選ぶことが重要です。
千里運輸グループの株式会社アンティでは、40年以上にわたる流通加工・倉庫内作業の請負実績を活かし、外国人材を含むスタッフの採用・配置・教育・管理まで一括して対応しています。発注企業が外国人材を直接雇用しないため、受入機関としての支援義務や在留資格に関する手続き負担を軽減できます。
また、既存の外国人材活用体制により、2027年の新制度開始を待たずに業務委託を検討できることも特徴です。現場管理者の配置や多言語対応による適正な指揮命令・品質管理に加え、人材部門との連携によって繁忙期の増員にも柔軟に対応します。
大阪・愛知の2拠点を中心に、お客様の業務内容や作業量に応じた請負体制をご提案しています。
まとめ

特定技能外国人の自社採用には、在留資格に関する手続きや継続的な支援義務などの負担があり、倉庫業登録がなく、その他の受入要件も満たさない企業には制度上の制約があります。
一方、外国人材の雇用・管理体制を持つ業務請負会社に物流業務を委託すれば、発注企業は外国人材の受入機関としての支援義務を負うことなく、2027年の新制度開始を待たずに、外国人材を含む作業体制の活用を検討できます。
千里運輸グループ(株式会社アンティ)では、長年培った倉庫内作業・流通加工の請負実績と人材確保力を活かし、お客様の課題に応じた業務体制をご提案しています。人手不足や外国人材の活用、業務請負をご検討の企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。